令和5年12月度 定例議会 一般質問

議席番号30番栗原信司でございます。
発言通告書に基づきまして市政に関する一般質問を大きく4点に亘り行
って参ります。

さてこの場に登壇するにあたり、12月7日、今日この日はどんな歴史、
どんな記念日があるのかななどと思いつつ、壇上に上がるわけですが、
調べると、いつもながら色々と意義深い日だなと実感します。

例えば教科書にも出てくるみだれ髪で有名な歌人与謝野晶子さんの誕生
日だったり、日本赤十字社の創始者の佐野常民さんの命日だったり、今
は日本でも定着したクリスマスツリーの日という一風変わった記念日だ
ったりします。

簡潔に結論を言わせて頂くなら、こうした記念日となるような答弁を期
待したいということです。
昨日も複数の議員さんからありましたが、現庁舎、この本会議場での一
般質問としての登壇はとなりますので、きっちりと締めていただき、有
終の美を飾る答弁を期待して以下お伺いして参ります。


1.公共施設における利便性向上について、ということでお伺いします。
待望久しい新本庁舎がまもなくオープンとなります。地域住民からも期
待の声が高まってきております。
今回の本庁舎の建設にあたっては、様々な機会に市民の声を聞いたり、
議会としても特別委員会を設置するなどして種々意見交換をしてきたと
ころです。
新本庁舎に限らず、全ての公共施設でも市民に目を向けた利用者の利便
性の向上を目指してほしいと念願するところですが、まずは新本庁舎と
してどのような取組を新しく取り入れたのか、特に市民との窓口での対
策についてお伺いします。

1−2
種々答弁を頂きましたが、一つずつ確認させて頂きます。
先ほどの答弁で、新本庁舎として、まずは書かない窓口を目指すことと、
AI翻訳タブレットを導入するとありました。
素晴らしい取組だと思うところです。ドンドン進めて欲しいところです。

実はこれに近いもので音声翻訳アプリがあります。
先日、教育環境常任委員会として奥州市を訪問させて頂き、その際に本
会議場をみせて頂いたのですが、そこでは傍聴席に大きなモニターが設
置されており、画面に文字が流れておりました。

それはその議場における会話が全て瞬時に文字として翻訳され映し出さ
れていたものでした。
奥州市の事務局に確認した所、UDトークという音声認識アプリを利用
してるとのことでした。

行政用語など、よく使う専門用語は事前に登録することができるようで、
文字への変換精度はほぼ完璧とのことで、大変に好評とのことでした。

しかも、そのアプリは耳が不自由な人向けに開発されたアプリというこ
とで無料で使えるとのことでした。

色々と調べてみるとこのアプリに限らず様々な音声認識アプリが開発さ
れていました。
無料で使えるものや有料となるものなど、利用目的にも依り一長一短が
あるようですが、既に全国各地の多くの自治体で活用が進んでおり、特
に消防施設、救急搬送現場、福祉施設、支援学校などでの活用が多いよ
うです。

我が家でも早速耳が遠くなった家族を相手に利用させて頂いています。
とても便利なものだと実感しています。
そこで、先ほどはAI翻訳タブレットを導入するとのことでしたが、新
本庁舎に限らず、無料のアプリということですし。市内の公共施設の窓
口などで、導入しても良いのかなと思いますがいかがでしょうか。

1−3
新本庁舎はAI翻訳タブレットの活用を図るようですが、執行部の皆さ
まもご自身のスマホなどにいれて活用してみてください。

次に、ここにおいでの議員さんの中にも、既に使っている方もおられる
ようですが、骨伝導イヤフォンというものがあります。

議員さん達は耳は勿論不自由はないようですが、これは耳を塞ぐことが
ないことと、耳の骨に直接振動を伝えることで、音声が伝えられること
から、耳が不自由になってきた方にも好評のようです。

最近ではさらに進化しており、耳の軟骨を使う、軟骨伝導イヤフォンと
いうものを公共施設の窓口に配置している自治体が増えてきました。

そこで市としても試行的にでも検討してみたらいかがでしょうか。

1−4
まずはAI翻訳タブレットに委ねる感じでしょうか。
活用結果を待つようにしますが、公共施設は新本庁舎だけではありませ
んので、費用対効果など良く良くご検討を頂きたいと思います。

次に、この質問としては最後になりますが、生理用品を公共施設のトイ
レに設置するべきと、言う点でお伺いします。
この提案は一昨年3月4日に公明党の佐々木さやか参議院議員が他党に
先駆け、初めて国会で生理用品の負担軽減について訴えたことを受けて、
その直後3月17日に、私ども公明党市議団としても、いち早く当時の
執行部に緊急要望書を提出し、さらにその後、市議団を代表して荒木議
員が一般質問でとりあげた経緯がありますが、改めてお伺いさせて頂き
ます。

かくいう栗原は男なので、生理用品について取り上げ辛いところもあり
ますが、最近はジェンダー平等とかLGBTQと言うことがごく普通に
叫ばれるようになったこともあり、男性側を代表して利用者の思いに立
ち、大変デリケートな問題であることを認識しつつ、取り上げてさせて
頂きます。

特にLGBTQ的な視点で捉えると、外見とは違う性差がある方が、そ
れを認識し始める頃と思春期がちょうど重なることもあり、相談するに
も相談し辛い場面に遭遇する方はごく少数かも知れませんが、それでも
現実に苦痛に思う方がいらっしゃるようです。

そこで、こういう時代背景も含めて改めてお伺いしますが、全ての公共
施設、特にオープン間近な新本庁舎などは、トイレも新品な訳ですし、
生理用品を起きやすいのではないでしょうか。いかがでしょうか。

1−5
まずは新本庁舎へ生理用品を置いて頂けそうですが、市民が大きく関心
を持つ施設ですし、注目をして楽しみにしておりますので、その市民の
期待を裏切らないようお願い申し上げ、次の質問に移ります。


2点目に、AYA世代のがん患者への在宅療養支援について、というこ
とでお伺いします。

この問題は今年3月に藤原議員が取り上げましたが、その際には、思い
が熱すぎて、伝わりきれなかったかなということで、答弁にすれ違いが
あった気がして、6月に改めて取り上げさせて頂きました。

この事業は命の終末期に関わる大きなものと言える反面、莫大な財政負
担を強いるものではないと繰返しお訴えさせて頂いた所ですが、その際
の答弁としては「制度として作り上げる必要があるが、若年がん患者の
自宅療養を支援する制度の創設について、がん以外の疾患で末期と診断
された若年期の患者の方との整合性など、幾つかの課題があることから、
実施自治体の事例を参考にし、制度創設に向けた課題や効果などを把握
してまいりたい」とありました。

また一方で「がん治療による外見の変化は、治療の継続や就労への意欲
の低下につながることから、在宅療養費の助成制度だけでなく、アピア
ランスケアとしてウィッグ購入費などに対する助成制度の検討を進めて
まいりたい」ともありました。

繰返しになりますが、AYA世代という人生の一番大切な時に病になる。
しかも待ったなしの末期がん宣告をうけた御家族の悲しさ、辛さや、残
されたわずかな時間を自宅で過ごしたいとの患者本人の思いを酌み取っ
てあげてほしいと思います。

そこで、この半年の取組、進捗状況についてお伺いします。

2−2
さまざま限られた時間で多くの自治体、多くの先進事例を検討して頂い
たようで感謝します。
さて、その上で重ねてお伺いしますが、この制度設計にあたっては、在
宅療養、訪問介護、家事支援、アピアランスケアのウィッグの助成など、
本当にこれは多岐にわたる支援が必要だなと思うところです。

何度も何度も申し上げてしまいますが、ここで問題となる対象がAYA
世代ということ、がん患者、そして在宅支援でのあり方と、諸条件が限
られる事業でありますから、これは本当に大きな財政負担にはならない
ところですが、事業としての立ち上げは急いでほしいです。

相談が来てから制度設計されたのでは間に合わないということになって
しまいます。
限られた時間で、限られた命を本当に大事に考えてほしいことから、今
後の取組についてお伺いします。

2−3
春日部市には医療センターという身近な所に優れた施設があることから
具体的な検討に入っていただけそうで少し安心する反面、できればこの
制度を使う市民が現れないことを祈りつつ次の質問に移ります。


3点目に、投票率向上策として期日前投票所の拡充を、ということでお
伺いします。

春日部市に限るわけではありませんが、平成の大合併を受けて、市長選
挙や市議選が同時に行われないこともあり、ほぼ毎年のように何かしら
の選挙が行われているところですが、選挙の度に投票率が下がる傾向が
強くなっているように思えます。

投票率が下がる傾向にあるのも春日部だけに限りませんが、投票率を上
げたい、政治に関心を持ってほしいのとの思いから、選挙が終わる度に
投票率の向上を図るべきと、議会で種々提案しつつ、取り上げてきたと
ころです。
一昨年は12月に鈴木議員がとりあげ、去年も複数の議員がとりあげ、
さらに本年3月には改めて中村議員がとりあげました。

その他にも今までも何度も様々な提案をしつつ取り上げてきたところで
すが、期日前投票所の拡充など、その後なにか検討してきたことはある
のかお伺いします。

3ー2
答弁では、既存の期日前投票所などとの位置的関係などに考慮しつつ、
一箇所を増設する方向で検討するとのことでした。

一箇所増やすだけでも大変な事だと思います。
期日前投票所の拡大は民主主義の根幹の選挙における投票率の向上に直
結する要因の一つです。

有権者の意思をくみ取る場面、場所を増やすことはとてつもなく有意義
なことと確信します。

現状では粕壁地区に一箇所、武里地区で1箇所、庄和地域で2箇所の合
計4箇所で期日前投票が実施されています。
一箇所増設ということですが、やはり各地区1箇所程度が最低でも望ま
しいと思う所です。

通信環境、広さ、駐車場、人的な予算など様々な制約があるとは思いま
すが、公民館などを利用すれば、そこそこの環境が整っておりますし、
職員も常駐しているわけですので、うまく配置を考えれば人的な負担も
少しは減るのではないでしょうか。

また、朝から夜までの期日前投票所の開設が望ましいところですが、た
とえば、午後だけとか、夕方のみというように、時間を制限することで
さらに負担が軽減できるかと思うところです。

公民館など職員のいる公共施設での期日前投票所の開設について改めて
お伺いします。

3−3
期日前投票所の大幅な拡充は今少し、時間がかかりそうですが、検討し
て頂けそうなので宜しくお願いします。
ちなみに、期日前投票所の大幅拡充以外に投票率を確実に挙げられる対
策について何か考えていることはありますか。

3−4
大学などと連携するとのことでした。
若者が政治に関心を持って頂けること、大変嬉しく思います。
今後ともさらに連携を強化して頂くことをお願いします。

この問題、最後は市長にお伺いします。
投票率の向上は至上命題のひとつと思う所ですが、市長はどのようにお
考えでしょうか。

全ての公民館を一斉に開設するのはさすがに予算的に厳しいかも知れま
せんが、せめて、まずは今議会で提案されている地区センター条例が可
決された場合は、こういった所を利用するように現場に指示を飛ばすこ
とが大事ではないかと思いますがいかがでしょうか。

3−5
公民館を含め、地区センターを活用した期日前投票所の大幅拡充を改め
て要望して、次の質問に移ります。


4点目に、高齢者支援についてお伺いします。

春日部市において65歳以上とする高齢者人口は31%を越えました。
65歳以上を高齢者とする現時点での大きな括りの中にあって、この中
に該当すると自覚する高齢者の皆さまからは、高齢者支援、高齢者サー
ビスが少ないとの声が届けられています。

しかし、高齢者福祉サービスについては、タイムリーと申しましょうか、
つい先日、発行された公報かすかべ12月号において特集ページが組ま
れておりました。
そこでは市として数多くのサービスを実施していることが紹介されてい
ましたので、そこは一安心と言ったところでしたが、まずは大きな括り
として、基本的な市のスタンスとして高齢者支援策についてどう考えて
いるのかお伺いします。

4−2
答弁では地域の現状や課題を見直し、第9期春日部市高齢者保健福祉計
画及び介護保険事業計画を策定し、その中で地域包括ケアシステムを深
化させ、地域共生社会の実現を目指すとありました。
本当にここに尽きると思うところです。

今まさに春日部に限らず、日本の高齢化は他国に類を見ない速度で進ん
でおり、2040年には65歳以上の高齢者が全人口の約35%を占め
ると予測されています。

地域とのつながりは希薄化し、身寄りのない単身世帯などの問題も指摘
される中、定年後の生きがい、やりがいが見つからない、といった声を
伺うことも少なくありません。

そういう背景のもと、高齢者が地域での役割を見いだし、担い、自分ら
しく輝いていく。
いきがいを感じられる居場所が必要であり、人々が世代を超えてつなが
り、互いに支え合う地域共生社会の構築が待ったなしです。

政治の役割として、フレイルや軽度認知症の人も含めて自分の可能性を
最大限引き出し、活躍できる具体的な仕組みを検討することが急務と思
われます。

そこで公明党としては今年6月、地域共生社会を支える高齢者活躍推進
PTを立ち上げ、識者との意見交換や先進事例の視察を精力的に行って
きました。
こうしてまとめられた報告書を先月16日、松野官房長官に提出したと
ころです。
この中で浮かび上がった課題と、報告書に反映させたポイントとして、
現役時代からシニアライフを見据えて行動できるきっかけが少ない点や、
地域で高齢者が活躍できるニーズが潜在的にあっても、雇用以外の生き
がい就労(シルバー人材センターなど)や有償・無償ボランティアなどに
ついては、どうしたら参加できるのかというアプローチの方法が分かり
にくいといった課題が挙げられます。

そこで、これらの対策として、現役時代のスキルの"棚卸し"や相談から、
活躍の場につなげるまでワンストップで対応する「仮称・高齢者活躍地
域相談センター」の設置や、このセンターと、高齢者を受け入れる各種
団体による「仮称・高齢者活躍推進連携協議会」を自治体へ設置するよ
う提案したところです。

研修などで社員の定年後のシニアライフ形成や地域社会でのセカンドキ
ャリア、いわば「地域セカンドキャリア」形成に取り組む企業への認定
制度創設などを訴えています。市としての取組をお伺いします。

4−3
公明党としてはこの問題を国会で取り上げようとしています。
例えば、高齢社会対策基本法や高齢社会対策大綱では、高齢者が置かれ
ている実情に寄り添う視点が弱いといった課題があることから、この改
善に向けて動き始めたところです。

国の施策をより実効性のあるものにするため、政策に魂を入れるために
は、春日部市としても現場の課題に目を向け、高齢者が生き生きと活躍
できる環境作りが必須と思います。

市として、地域共生社会とはどんなことを考えてるのか、今後の高齢者
施策について考えることはあるのかお伺いします。

4−4
以上、種々お伺いして参りました。
果てしなく奥が深い高齢者支援事業です。
高齢社会対策基本法や高齢社会対策大綱では高齢者の置かれている実情
とかけ離れているという課題が見え隠れすることから、国は国会論議を
通じ法改正などへ向けて動き出し始めようとしていますが、それに先駈
けて市として模範の高齢者支援事業を立ち上げて頂きますよう要望して、
この議場における一般質問を閉じさせて頂きます。