1999年12月度定例議会一般質問
(1回目)
議席番号19番 栗原信司でございます。
発言通告書に従い、春日部市民の声を代弁し、少しでも市民生活と行政が密着したものと
なりますように願いを込めまして、一般質問をさせていただきます。

はじめに教育関係についてであります。
1点目は小学校の通学路の問題であります。

少子高齢化社会にあって、子は宝と申しますが、まさに国の宝であります。いうまでもなく、
この子達の生命を守り育てることに将来の春日部がかかってくるわけであります。

特に小学校の通学路と言えば、わずか6歳の子から11,2歳の子ども達が通う道でありま
す。物の道理も分別もつかない子供達が毎日毎日通う道であります。
この道の管理に全てがかかってくるわけです。
そこでお尋ねします。
春日部市としては通学路に関してどのように管理をされているのでしょうか。

問題箇所はあるのでしょうか。

あるとすれば何カ所あるのでしょうか。
歩道として整備されていない通学路はどのくらいあるのでしょうか。

また既に対策の終えた問題箇所はあるのでしょうか。

また、昨年より持ち越された問題箇所はあるのでしょうか。

併せて、そういう問題箇所を含め、今後、市としてはどのように通学路に関する安全管理を
しているのかお伺いします。

2点目は小中学校のネットワークに関してであります。
この問題は1部ついては9月にお尋ねをした以降の部分になります。
今後の春日部市における教職員の研修、内容等についてお伺いします。

また今後のインターネットを授業に取り組む形での学習のあり方についてはどのように考え
ているのかお尋ねします。

3点目は奨学金等、教育支援策についてであります。

高校や大学は公明党の提案によりきぼう21プランをはじめとする各種の奨学金がこの4月
から拡充されたところであります。しかし、義務教育の分野ではこの制度は利用できないた
めに生活が困っているご家庭があると伺いました。

そこで春日部市の対応として、どのような支援策があるのか、現在これを活用されているの
はいらっしゃるのかお尋ねします。

次に障害者福祉に関してであります。9月には視覚障害という観点から質問を行ったところ
でありますので、今回は聴覚障害についてお伺いします。

1点目は、中途失聴や難聴者へ支援対策であります。
生まれながら耳の不自由な方のご苦労も当然大変なわけですが、生後、徐々に悪化したり、
事故等によって、急に聞こえなくなるなどの場合があるわけであります。

市としてはこれらの方に対する実態について把握されているのでしょうか。

また、これらの方々の「聞く権利」に対して市としてはどのような認識、対応をされているので
しょうか。

2点目はこの問題に関連して要約筆記者の体制についてであります。

要約筆記という支援制度がついては御存知かと思いますが、春日部市としてはどのような対
応になっているのでしょうか。

また、他の市町村ではこの問題についてどのような対応をしているのか御存知でしょうか。

3点目はこれらの聴覚障害者をはじめとする心身障害者に対する危機管理体制についても
お伺いしたいと思います。
つい先日、記憶も新しいところでの東海村の原発事故が発生した際にも避難連絡が届かな
かったり、救援活動が遅れたりと、阪神大震災での教訓が活かされずに最後まで取り残され
たのは聴覚障害者をはじめとする弱者でありました。
この危機管理体制問題の再発と言うことから反省を踏まえて春日部市として学ぶことは多い
と思いますが如何でしょうか。市としての考え方について、お尋ねしたいと思います。

次に児童館問題であります。
1点目は、児童館がほしいとの市民の要望は既にご案内の通りであります。問題はいわゆる
この財政事情の中で、新設が可能かと言うことであります。条例ができてからもう久しくなり、
今の春日部の実状にあっているとお考えでしょうか。

また見直しを踏まえて何か対策を考えているのでしょうか。
お尋ねしたいと思います。

2点目は既存の建物の利用についてであります。
教育センターにおける郷土資料館との兼用といいますか、使途変更などとか、公民館にキッ
ズルームの設置 放課後児童クラブなどに見られる空き教室の利用 保育所の利用 民間
幼稚園の借用等については可能かどうか、検討されているのでしょうかお尋ねを致します。

最後に東武野田線の複線化に伴う準急車両の運行及びJR線への乗り入れ問題であります。
複線化の動きに併せて、混雑緩和、時間短縮の意味から、増発される全ての路線というわ
けではありませんが、各時間帯に1から3本とかの春日部大宮間の準急化へ向けて話を進
めては頂けないか、この点についての市のお考えをお伺いします。

併せて、東武野田線のJR乗り入れについてであります。来年よりいよいよ機能を発揮する
さいたま新都心。これをよその街の問題にしないで春日部の問題にしたいのであります。今、
現在、市長をはじめとする執行部の皆さんのご努力によって魅力ある春日部の街が構築を
されつつあるわけですが、これを加速度を付けるべきであると思います。
その為のひとつとして春日部より乗り換えなしで新都心へ通えるようにすることについての
市の考え方についてお伺いします。

1回目以上です。

(2回目)
重ねて質問させていただきます。
はじめに教育関係についてであります。

御答弁にもありましたように教育委員会としては各学校を通じて情報を得、この情報を関
係部署に連絡し、対応を取ってもらうと言うことで、それなりのことをしていただいていると
うけとめました。

ただ問題は大変に失礼な言い方ではありますが、それなりと言うところがあります。いわ
ば子供の命に関する情報のキャッチボールですので、関係部署に連絡をするという一方
通行の球を投げただけでは不十分ではないかと思いますがこの点如何でしょうか。

通学路交通安全マップの作成、危険箇所を回避した新たな通学路の選定など、きめ細や
かで創意ある交通事故防止活動が必要であり、さらに重要なのはこれらの情報が立哨当
番に立つPTAの皆さんをはじめとする関係者に徹底されているのかということであります。

特に小学校に関しては、このほかにも、朝は高学年の子が低学年の子の面倒を見ている
ものの下校は学年によりバラバラになってしまう、つまり簡単にいえば、「勝手にしてね」と
言うことになるのでしょうか。
決められた、安全な歩道が通学路として、確保されていれば車の通行量が少ない日中は
それでも構わないのかなとも思いますが、残念なことに市から要請したところとは違う場
所に信号が付いてしまったり、歩道がないために何度も道路を横断させられたり歩道の
途中が途切れていたり、歩道の中にある下排水用の側溝の蓋がはずれていたり、通学
路の指定により時間制限はあるものの、指導員が居ないために通り抜けるドライバーが
いたり、一方通行を抜ける抜け道として、通学路を利用するドライバーがいたり、道幅は
広いが歩道が狭くて、渡りきれないために信号が赤になっても車道に残されている児童
の姿も見かけます。
手前味噌で恐縮です。自分にも小学生が2人おります、そういう意味ではお父さんは心
配なんです。という親の気持ちがよくわかります。

しかし反面、本年9月20日建設省は、だれもが利用しやすい歩道の整備を図るために、
バリアフリー化の構造基準を新たに策定し、道路局長名で地方自治体などの道路管理
者に通知した所でもあります。
これは、道路法に基づいて1973年に現行の構造基準が定められて以来、26年ぶりの見
直しとなる“バリアフリーのまちづくりの推進”が一歩前進したものです。
細部については時間の都合で割愛しますが、歩道内で平たんな部分を原則として1メート
ル以上確保しようとか、幅に余裕があれば、車イスのすれ違いが楽にできる程の2メート
ル以上の平たんな部分を確保するとか、段差は2cm以内に押さえるとか、というものです。

この新たに策定された構造基準は、今後、新設や改修の設計を行う歩道から採用され、
すでに設計を終えた歩道でも、可能なものについては順次、基準に合わせるようになると
いうことです。
こういった事も鑑みて、子供達の安全を守るという見地より一刻も早く早急な取り組みを
重ねてお願いしたいのですが市としての今後の取り組みについて改めてお伺いします。

2点目として教育の情報化に関連してであります。インターネット教育を市として取り組む
姿勢については9月の定例議会でも教育委員会の担当者の皆さんを中心として研修等を
重ねてきたとの答弁を頂いた所であり、実際にこの研修風景にも参加をさせて頂きました。
現場では各先生達が不慣れな中、真剣に取り組んでおりました。
そして、この研修を受け先生方は実際にパソコン学級をスタートさせました。
また、先頃、提出された国の補正予算案では、文部省は教育現場の電子化を推進し、20
01年度中に全小中学にパソコンを導入し、これを全てインターネット回線で接続しようと言
うことです。
この中では機材の配備だけでなく、児童や生徒に操作法を教える教員の能力向上にも重
点が置かれています。
先日も深谷市の小学校では専門家によるパソコン研修を実施、好評であったと伺いました。
子供達は興味を増したとのことです。
さらに急発展を予想される中で、教える側の資質、経験等が大事になってくるわけです。
さてそこで問題は、この先2年以内にインターネットが完全普及となる訳です。当然これに
見合った体制が必要となってきますがこの件について問題はないのか、お伺いします。

市内の学校に通う子供達に聞ききますと、やはりかなり関心が増したようであります。
ある家では、いつもなら、クリスマスのプレゼントはおもちゃが定番でしたが、今年はパソコ
ンが欲しいと、お願いをしているようです。

いずれにしても、本年実施されたケルンサミットでも小渕総理が「パソコン教育は現代の
読み書きそろばんである」とおっしゃっておりましたが、正しくその通りだと思います。
むかし、社会に出るには、読み書きそろばんが必要といわれたものです。今は、パソコン
操作がこれにかわります。入社にあたっての必須条件になってきております。
この社会に出るためにその基礎を学ぶのが小中学校でありますので、速やかに専用回
線をつなぐなり、教育センターを中心とした、教育の情報ネットワーク化の推進を図るなど
の取り組みが必要と思われますがこの点については如何でしょうか。

3点目に奨学金に関連する事ですが、義務教育には教育支援をしているとのことで一見、
問題はなさそうですが、改めてよく考えてみると、平成11年11月30日現在で、小学校児童
で就学援助制度を受けている方、利用している方は1119名、中学校生徒で同じく543名の
方が援助を受けております。また奨学金貸付制度を活用されている方は高校生で11名、
大学生で20名ということですが、高校生、大学生については日本育英会等の融資を得た
ため、また、返済が大変で融資を受けられない人、自身がアルバイトをして賄っているな
どのためか、人数的には少なくなっているのかなと思います。但し、いずれにしても、教育
を受けようと意欲のある人の支援は大変に有意義なことであります。国家百年の体系作
りのためにも力を注いでいただきたいのであります。

また、残念なことに、つい先日の新聞発表でも県内の倒産件数は増加の方向にあるとか、
負債総額の100億円突破が9ヶ月連続など、状況は予断を許さないようであります。
そんな中、各家庭では生活費を切りつめ、切りつめ教育費に回すことになりますが、当然
これにも限界があります。
将来の春日部を担う子供達が、今の状況では満足に義務教育も受けられないことにもなっ
てしまいます。
そこで就学援助制度の枠の拡大とか、春日部市としての無利子融資枠の創設をお願いし
たいのですが如何でしょうか。

次に障害者福祉に関してであります。
本年10月1日現在で聴覚の不自由な方は326名その中で、手話を習っている方は約50
名程度。つまり残りの270名を越える方々は大変な不自由をしているようであります。特
に中途失聴などに於いては、例えば40歳とか、50歳とか、人生半ばでの障害を抱えるこ
とになる場合、極めて厳しい環境におかれます。
今まではいわゆる普通の健常者だった人が、何度も聞き返すために、急に呆けてしまっ
たのかと思われたりしないかなどと、周りの人によけいな気を使うことになるとか、只でさ
え、耳が不自由でご苦労されているのに更なる気苦労もする事になるわけであります。
かといって、今更、手話を覚えろといっても、大変にきびしい問題であります。
そこで、春日部市として要約筆記者の講座を開くことにより要約筆記者に対する啓蒙活
動並びに育成を図っていただきたいのであります。資格を持った人たちによって、確実に
支援していく体制づくりに取り組んでいただきたいのでありますが、この点についてはい
かがでしょうか。

3点目は危機管理体制についてであります。
埼玉県主催により県内の市町村の担当者が集まって会合を開いたようですが、この内
容は公表できるものでしょうか。

また、春日部市独自の考え方はあるのでしょうか。
できれば、現場の声を聞くなどして「危機管理に対する連絡協議会
」の設置などは検討していただけないでしょうか。如何でしょうか。

次に児童館問題に関してですが、利用者の対象にもよるかもしれませんが、やはり要望
が強いのが、小さなお子さんを抱えるご家庭かなと、思うのですが、一概には言えないか
もしれません。
しかし、実際に母親なしでは遊べない小さな子供を抱えた母親達同志がコミニュケーション
を図るという意味では地域の顔である、公民館や保育所などの活用が一番利用しやすい
のかなと。小さなお子さん用にトイレも遊具も揃っていたりします。かなり有力候補ではない
かと思いますがいかがでしょうか。
さらにまた、可能であれば、各施設内に、オンラインを結び、子供は自由に遊ばせながら、
親同士は相手の顔を見ながら意見交換ができる体制づくりを検討していただきたいので
すがこの点如何でしょうか。
当市の予算を考えると大きな建物を造るのはあとの時代に任せ、どうしても開放的なとい
いますか、大規模な児童館を利用したい市民の皆さんには申し訳ありませんが近隣市町
村のものを当面の間は有効活用していただいたらどうかと思うのであります。
その代わり市としては何らかの手を打ち、市民の理解を得られるように努力をすべきであ
ると考えますがこの点如何かなと思います。少ない予算で、少子化対策を有効に進める
努力をした方がよいのではないかと思いますがどうでしょうか。市としてのお考えをお願い
します。

最後に東武線の野田線のJR乗り入れについてでありますが、これは相手が民間鉄道で
もありますが、いかんせんこの春日部の発展のためには魅力ある街づくりが必要であり、
乗り換えなしに新都心に出られると言うのは大事なことであります。
この時期を逃さずに取り組んでいただきたいのです。これができれば当然、春日部発の
東京行き、春日部発の新宿行きも可能になってきます。どこまで可能かはわかりません
がアピールできるもの、春日部の顔を作るべくご努力をお願いしたいと思いますが如何
でしょうか。
以上2回目終わります。
(3回目)
最後になりますが重ねて質問させていただきます。
最後はやはり市長にお尋ねします。
はじめに障害者福祉の問題ですが、一人一人の声をよく聞いて頂き、近隣市町村との連
携も強くしていただき、さらに県ともタイアップし、障害者福祉の充実について対応を検討
していただきたいと思いますがいかがでしょうか。

次に通学路の問題であります。
特にこの問題はいくら安全でも過ぎると言うことはありません。
この通学路の問題箇所を全部とは言いませんが、市長をはじめ責任ある立場の方など
関係部門での現場視察を実施していただきたいのであります。

そして、その結果を基に、例えば「通学路安全推進連絡協議会」などを設置するなど何か
しら早急に手を打っていただきたいのでありますがこの点についてはいかがでしょうか。

また、通学路といえば、歩道としては一般市民にとっても生活環境の中心をなす空間であ
ります。
勿論子供達も通りますが、体の不自由な方、ご高齢の方などの事もよくご検討いただき、
いわゆる弱者の視点に立って物事を判断していただきたいのであります。
特に小学校1年生の目の高さといえば、約1メートル少々であります。この明日を見つめる
目をつみ取らないで欲しいのです。
そこでこの視点、観点をもって通学路の安全確保に懸ける市長の決意をお伺いし、質問を
終わりにさせていただきます。