平成24年 9月度 定例議会 一般質問

議席番号30番 栗原信司でございます。
発言通告書に基づきまして市政に関する一般質問を3点に亘り行っ
て参ります。

1.はじめに、自治体クラウドの導入について、ということでお伺
いします。

この件は1年前の9月定例議会最終日に意見書として提案させて頂
き、多くの議員の皆様のご賛同を頂き可決したものであり、改めて
申し上げる必要もないかもしれませんが、それでも改めて申しあげ
ますが、自治体クラウドを推進すべきと思う理由の一つには、各地
方自治体におけるシステム運用経費の削減を図ることができる点で
あり、また一つには、市民の皆様の生活権や財産をお守りするため
に必要なデータのバックアップが確保される点であり、さらには自
前のサーバーの管理などにも専門職員を配置する必要がなくなる、
など多くの利点が挙げられます。災害に強いまちづくりの一助にな
る自治体クラウド導入に対して、その問題、課題などをどのように
捉えているのかお伺いします。

1−2
各種、答弁を頂きました。重ねて質問させて頂きます。2回目以降
は1つずつ確認させて頂き、自治体クラウド導入への取り組みにつ
いて話を進めていきたいと思います。

答弁では一部導入している部分もあるし、全体としては経費やセキ
ュリティなど諸般の心配の種があると言うことでした。

そこで、まず始めに、具体的な話として、システムの立ち上げや再
構築の費用、自前のサーバーのメンテを市単独で行ってきた春日部
市におけるコストはどうだったのでしょうか。

そして、同規模でクラウドに移行するとコストはどうなるのか。ト
ータルの財政負担として想定される部分の比較についてお尋ねしま
す。

個別の費用としてサーバーそのもののメンテを含む費用、ソフトや
システムのバージョンアップ毎の費用、そしてメンテを含む導入コ
ストのトータルとしての費用の比較についてお伺いします。

1−3
さて費用については、ケースバイケースと言うところでしょうか、
具体的な数値を特定するのは困難のようですが、とりあえず、現状
レベルで試算した場合には5億円程度費用が膨らむかもしれない、
ということですが、この自治体クラウドはその導入にあたり、その
性質上、通信回線を使うことから、春日部市と隣接の自治体である
必要もなく、遠く離れた自治体や、草加市や上尾市などいわゆる春
日部と同規模の自治体との連携も可能であり、そうしますと導入コ
ストも抑えることができるのでは無いでしょうか。

また先ほどの答弁で単独で導入すると割高と言うこともありました。
共同での利用が望ましいと言うことでしたので、そこで、導入時の
コスト削減に関して、例えば、人口、財源などが同規模の他市と連
携することなどはいかがでしょうか。

1−4
答弁では業務プロセスが違うために、他市との連携は課題が多く難
しいということですが、自治体クラウドの利点というか、導入すべ
きメリットの1つとして、導入にあたり、業務内容、実務内容の見
直しも一緒に進めましょうということも含まれるわけです。

税金などの収入があり、事業を行うことで支出があり、そこには市
民がいるというある意味では極めて単純な理屈ですから、こういう
ことの煩雑な部分を簡略化したり、平準化することが大いなる行政
改革に繋がるわけですし理解を進めて欲しいと思います。

さて、話を変えて、コストの次に、セキュリティー問題についてお
伺いします。とかく自治体クラウドというと個人データなど情報の
保護対策、システムのセキュリティー対策などが指摘されますが、
すでに導入している先進自治体で、セキュリティーに関して具体的
に問題になっている自治体はあるのでしょうか。把握している範囲
でお答え頂きたいと思います。

1−5
答弁では今のところ、先進自治体としては大きなトラブルは起きて
いないようで安心しました。最近も携帯電話会社でトラブルが多発
した経緯もありましたので、全く心配が無いわけではありません。

しかし、セキュリティーといえば、何よりも大切な人命を預かる病
院や、また命の次に大切なお金そのものを扱う銀行なども、既にク
ラウドコンピューティングを活用しているところであり、命やお金
を扱う企業などがクラウドを利用していることからも、セキュリテ
ィについては信じて良いのかと思いますが、いかがですか。

1−6
さて、当然と言えば当然のことですが、この自治体クラウドの導入
に限ることでもなく、個人情報の流出などセキュリティ対策だけは
しっかりと取り組むように要望しておきます。

さて、この問題の最後となりますが、今までのやりとりからも、自
治体クラウドは、時と場所を選ばず、24時間いつでもどこでも市
民サービスを提供できるようになる第一歩であり、災害時にも情報
が消えないようにバックアップもしっかりとできるというメリット
は大変大きなものがあると思います。そこで、改めて市としての早
期導入に向けた取り組みについてお伺いします。



2.次に、スマートフォン向け公式サイトの導入について、という
ことでお伺いします。

この際、冒頭においてスマートフォンをスマフォ、と表現させて頂
き、言葉を省略させて頂くことをお断りさせて頂きます。

さて、市のホームページとしては既にトップページのみスマフォ向
けになっております。そういう点では、厳密に言えば、現時点でも
スマフォ向けの情報が無いわけではありませんが、パソコン向けの
ホームページの情報と比較しますと、遙かに乏しい内容であり、利
用者の皆様には不親切だと思えてなりません。そこで、市としてス
マフォ向けの公式サイトへの取り組みについて現状と今後の方針に
ついてお伺いさせて頂きます。

2−2
さて、自治体クラウドの導入については条件が整い次第導入したい
という極めて前向きな答弁と受け止めましたので、二つ目のスマフ
ォに関する質問に移りたいと思います。

まず、スマフォ向けのサイトの構築に当たり、念のために確認した
いのですが、今まで通常のパソコン向けや携帯電話向けのホームペ
ージ作成や更新の際にアンケート調査などを行うなど利用者の声を
聞いたことはあったのでしょうか。

2−3
HPなどに関する直接的なアンケートは行ったことはないが、HP
の画面上から利用者の意見を聞くことができるようになっていると
いうことでしたが、なにか意見として届いているものがあればご紹
介をお願いします。

2−4
つまり、市民としてはHP自体のリニューアルは見やすくなったと
いうことで概ね良好ということでしょうか。高い評価を得ているも
のの、個別の案件としての欲しい情報を得るのは困難ということで
しょうか。

そこで、将来の明るい春日部をより盤石にするために、時代の流れ
に敏感で、しかも、民間の協力も得ながら加速度を上げるべきかな
と思います。先ほどの答弁でも、スマフォの普及率が倍になったと
いうことですし、巷の評判でも今後益々、スマフォが情報端末の主
流になると予測されるところであり、さらには高齢者向けのスマフ
ォも発売もされました。

そこで、この際、内容の充実と利便性の向上のために、子育てガイ
ドブックや広報かすかべなどがスマフォ版でも探しやすく、見やす
くなるような画面構成を含めた、スマフォ向けサイトの充実を図る
べきではないかと思いますがいかがでしょうか。

2−5
先日、決算に関する質疑にもありましたが、ウェルカムガイド作成
事業。決算書では463万円とありましたが島根県が観光アプリの
開発にかかった費用が400万円だそうです。念のための確認です
が、費用対効果としてこの事業費の比較についていかが思いますか。

2−6
まあ、費用対効果としてはそういうこと答弁になっちゃいますよね。

さて、普及率は高まる中、話はそれますが、何度も話題としてきた
スカイツリーの集客能力は高く、大宮駅からスカイツリーまで乗り
換えなしでいける路線も検討中とか。そうなると益々、春日部が置
いていかれてしまうような気がしてなりません。

日々変化する時代に敏感するべきであり、様子見を決め込まずに、
情報発信の手段としてアプリの開発が意義深いものがあると思いま
す。
ちなみに京田辺市では、産学官連携により観光案内アプリを開発し
ました。その他にも、県単位の事業ではありますが、島根県として
観光アプリの開発を行いましたがこういう取り組みで、我が街春日
部の代表的な観光資源の羽子板、麦わら帽子、彫刻、クレヨンしん
ちゃん所縁の場所などを示す仮想地図などをスマフォのアプリとし
て開発して、情報発信に役立てると言うことはいかがでしょうか。

2−7
将来を見据えた極めて前向きな答弁と理解しましたので、続いても
う一点ご提案を申しあげます。

この件は一昨年、国庫補助100%負担の事業と言うことで、うつ
病や自殺防止の大きな一助にもなることから「こころの体温計」の
導入はできないものか、と取り上げさせて頂いたものです。これを
導入し活用した自治体ではこれによって救われたという実例もあが
っているとお聞きしました。

スマフォを利用し身近なところで心の健康管理の一助になります。
スマフォ向けのサイトに限るわけではありませんが、この際、改め
て市の考えをお伺いします。

2−8
こころの体温計について取り上げさせて頂いてから、担当職員の皆
様が手作りの健康管理専用のホームページ「こころ ほっとしてい
ますか?ひとりで悩まず相談してください」を立ち上げてくれてい
ることに深く感謝し、言いたいことはあるものの、心はきっと伝わ
っていることと思い、この件は早期導入だけを要望し、質問を次に
続けます。

スマフォに関連したことで最後にひとつ提案ですが、実は先日、既
にマスコミなどで発表になっていましたのでご案内のとおりかと思
いますが、先月の8月29日、各種携帯電話の事業者を問わず、携
帯・PHSなどの各通信事業者が災害用伝言板サービスおよびNT
T東西災害用伝言板(web171)における「全社一括検索」が開始さ
れました。

また携帯各社では毎月1日、15日および国の「防災週間(8月30日
〜9月5日)」「防災とボランティア週間(1月15日〜1月21日)」に、
災害用伝言板体験サービスを練習できるようになっていますので、
これを活用させて頂き、例えば、市役所本庁舎ロビーに設置してあ
るテレビなどを利用して、こういうサービスがあること、試しに利
用できること、そしてこういうサービスを通じて災害時に備えての
市民の意識の啓発を図ること、そして、日常的に練習をして貰うこ
とは有意義かと思いますがいかがでしょうか。

2−9
本庁舎ロビーに設置してあるテレビモニターは民間の提案というこ
とで、行政側としてはその利用に制限があるということは理解しま
した。
しかし、大型の液晶テレビでも本当に安く手に入るようになりまし
たので、公民館など各公共施設のロビーや待合室などに積極的に設
置し、是非防災減災に役立てて欲しいと思います。これは要望とさ
せて頂きます。



3.三点目として、リサイクルフラワーセンターで障がい者雇用の
拡大を、ということでお伺いします。

この件はいつものように地域を御用聞きに回っている中で、一部の
市民の方からのご提案としてお伺いしたものです。

蕨市・戸田市・蕨戸田衛生センター組合の三団体が協調し環境共生
を基本理念とし、リサイクルフラワーセンターを設置し、循環型社
会の構築や美しい街づくり、障がい者・高齢者の雇用促進、その他
の6つの目的をもって平成21年にオープンしたばかりのもので、
大変好評なようです。

そこで、春日部市でも導入すべきではないかという提案でした。そ
こでまず始めに導入に向けた考えをお伺いするにあたり、始めに市
の現状についてお伺いします。

障がいをお持ちの方やご高齢の皆様で、働く意欲のある方達に対す
る就労支援策、その実績、また労働意欲に応えられているのかどう
か。始めにこういった市の取り組みについてお伺いして、1回目の
質問とします。

3−2
さて、大きく3点目のリサイクルフラワーセンターを設置、導入す
ることで障がい者や高齢者の雇用の拡大について、に関して重ねて
質問して参ります。

先ほどの答弁では、例えば障がいをお持ちの方々には障がい者就労
支援センターの活用によって、登録者258名に対して、就労実績
は107名と言うことでした。つまり、就労意欲はあるものの過半
数の方は働けないと言うことのようです。高齢者に関しても毎年の
ように高齢者が増えると言うよりも高齢化率が増加する一途であり
職場を探すのは大変なことかなと思います。

そこで蕨市、戸田市のこういった取り組みは就労場所の拡大につい
て有効な手段と思われます。家庭で発生した生ごみを再生資源とし
て堆肥に変え、花の苗を生産、花の苗と交換するということです。

家庭用ごみが綺麗な花に生まれ変わり、しかも障がいを持った方や
高齢で働く場所の限られた方に雇用の機会を与えるものであり、大
変有意義な取り組みでありますので、リサイクルフラワーセンター
の導入に関する市のお考えをお伺いします。

3−3
答弁はフラワーセンター設置に当たり、初期費用が2億7600万
円。年間コストが約5000万円と高額ということでした。

実はこの件を取り上げるに当たり、戸田市に視察に行ってきました。
種々お話しを頂きましたが、年間コストの8割近くが人件費だそう
です。そこで、センターとしては多くのお花の好きな方をボランテ
ィアとして募集することで対策をしているとのことでした。

また、高額な初期費用も設置場所が衛生センター隣と言うと春日部
市のクリーンセンターを想像する方も多いかと思いますが、蕨市・
戸田市、ともに人口集中の大都市ののほぼ市街地の真ん中であり、
仕方ないのかなと思いました。

蕨市と戸田市を合わせた人口は約20万人弱であり、また予算規模
的にも、春日部市として近いものがありますし、いきなり、同規模
のものを設置しようと言うことでは無く、市有地で今すぐに使う予
定の無い場所などの有効活用を図りつつ、就労機会の拡充に向けて
取り組むべきでは無いでしょうか、と強く要望し、この件は次回に
継続審査としていきたいと思います。