平成23年 9月度 定例議会 一般質問

議席番号30番栗原信司でございます。発言通告書に基づきまして市政
に関する一般質問を行って参ります。
大きく4点について順次お伺いして参ります。今回も大きく費用のかか
らないものをチョイスしてみましたので、市長も安心して前向きの御答
弁を宜しくお願いします。

1.はじめに、エリアメールなど携帯電話を活用した情報発信について、
お伺いします。

本年の東日本大震災に限るものでもありませんが、どうしても災害地で
は発信規制などが行われることになり、携帯電話などの電話やメールも
使えなくなります。そういうことの対策として、昨年12月に情報発信
の補完的機能があることから公式ツイッターを開設すべきと訴えました
が、それに関しては、本年3月に早速開始して頂き、多くの市民の皆様
から喜びの声を聞くところであります。

そこで、さらに今回、さらなる情報伝達手段として、ご提案させて頂き
たいのは、気象庁から発信される緊急地震速報で有名な「エリアメール」
であります。「エリアメール」とはNTTドコモが提供しているサ−ビ
スであり、3月11日以降、大きな揺れが起こる直前に、何度も何度も
耳にしてきたことと思います。

さて、エリアメールとはその名のごとく、市・町という単位で発信する
その地域限定の「災害・避難情報」と気象庁から配信される「緊急地震
速報」を、そのエリア内にいる加入者の携帯電話に対し、強制的に配信
するものです。

現在、春日部市では、防災無線で災害情報などを知らせておりますが、
最近の住宅は密閉性が高いこと、中高層マンションなどの影に隠れて、
防災無線も聞き辛いものがあります。

そこで、大災害発生時など緊急事態が起きたときには、この防災無線の
足りない部分を補完するために、エリアメールを使い、災害情報を配信
することは極めて有効な手段と考え、執行部のお考えをお伺いします。



2.大きな二つ目として、路上喫煙防止条例の制定など受動喫煙防止対
策について、お伺いします。受動喫煙から市民の健康を守りたいという
ことで、初めて取り上げたのは今を去ること9年前の平成14年12月
でした。そして16年6月、19年9月と取り上げ続け、前回は20年
9月に再度取り上げさせて頂いた時には、既に県内40市中13市、お
よそ3割の市が制定を終えていました。

そこで、何度取り上げても制定しようとしない理由を明確にお示しを頂
きたいと申し上げようとしたのが9月議会でした。その時、市長は総合
振興計画の前期計画のウチに制定すると答弁がありましたので、余計な
ことは言うまいと、しばし静観していたのですが、しかし、本年3月末
時点でとうとう20市、つまり埼玉県内40市中5割の市が路上喫煙防
止条例の制定に至るところまで来てしまいました。前回の市長答弁にお
ける前期計画5年のうちの4年が今年度で終わるわけですが、少なくて
も本年23度においては今のところ上程される気配はありません。

残るは今年度後期と来年度だけという事になりますが、今年なのか、来
年なのか、いつになったら制定するのか、市民の健康を守るためにもは
っきりとした御答弁をお願いします。



3.大きく3点目ドライミスト・ミストシャワーなどで暑さ対策を、と
いうことでお伺いします。
暑さ対策、熱中症対策としては今までも、公明党市議団としても壁面緑
化、屋上緑化、学校校庭の芝生化、小中学校にエアコンや扇風機の設置
を、と訴え続け、また、一昨年の6月にはヒートアイランド現象などか
ら発生するゲリラ豪雨対策などの意味も込めて、打ち水大作戦なども訴
えさせて頂いたところですが、特に最近、巷で、暑さ対策として流行っ
ているのが、2005年開催の「愛・地球博」で好評だった乾いた霧、
いわゆるドライミストです。

これを日本で一番暑い熊谷市や大阪市などでは、いち早く取り入れ、駅
前や市役所入り口などに設置し、大きな効果を上げてると伺いました。
また、取手市や京田辺市では市内の全ての小中学校に一斉にミストシャ
ワーを導入し、児童生徒達から大変に喜ばれているとお聞きしました。
そこで、春日部市でも同様に、市役所付近、小中学校、グーかすかべな
どの児童館や各種スポーツ大会などのイベント会場での設置など、常設、
仮設を問わずケースバイケースで効率よく設置し、利用すべきではない
かと思いますが、市の考えをお伺いします。

また、これに関連して、このドライミストを個人、又は企業団体として
導入しようとする場合、水道料金の一部免除など、助成措置がとれない
ものかお伺いします。



4.最後に、災害時の食物アレルギー物資および避難場所での対応につ
いて、お伺いします。
今までも、災害・防災対策として、平成13年6月議会で防災弱者対策
として取り上げて以来、ペット同行避難訓練や夜間避難訓練など災害避
難訓練に関連する対策や、赤帽さんなど地域を越えた広域連携の図れる
災害時支援協定の見直しなど、様々な提案をしてきましたが、市民の命
を守るためと、直ぐに出来ることはまずやってみようと、取り組んで頂
きました。深く感謝をするところです。

さて、改めまして、本年3月11日に発生した東日本大震災における被
災地の状況を現場視察やマスコミ報道で見るにつけ、普段の訓練や対策
が十二分に活かされていないことを実感したところでもあります。想定
外とも言えるようなあまりにも大きな災害の為に、幾分かの事が後手に
回るのは仕方ないのかなと思いつつも、それにしても先々の用心という
のでしょうか、日頃から、微に入り、細にいり、準備が出来ていれば、
もう少し何とかなったのかなと思うところです。

ここ春日部においてもこれらのことは他人事とは思えません。いつ何時、
再び同じような大災害がおきてもおかしくない昨今です。もし、今、私
達が災害にあい、避難所生活を余儀なくされた場合、その対策は十分な
のかと心配になってしまいます。

さてそこで今回は、その中から特に食物アレルギー対策に絞って確認さ
せて頂きます。

一つ目には、災害時用の食料は備蓄されていますが、食物アレルギーに
対応した食料は備蓄されているのでしょうか。

二つ目には、アレルギー対応食の配給は可能でしょうか。

三つ目には、避難所での食物アレルギー患者への対応マニュアルのよう
なものがあるのでしょうか。

四つ目には、食物アレルギーをお持ちの市民の皆様が何人ぐらいいるの
か、市として把握されているのでしょうか。最後に、その他災害時の食
物アレルギー支援について何か検討していることをお伺いして一回目の
質問とさせて頂きます。





1−2.エリアメールなど携帯電話を活用した情報発信について。
さて、各種御答弁を頂きました。重ねてお伺いして参ります。初めに、
エリアメールに関しては、明日にでも導入して頂けるような御答弁だっ
たように受け止めたところですが、今すぐに導入して頂ければ、所沢、
飯能、深谷、新座に続いて県内5番目の導入ということになります。放
射能測定では少々後れを取りましたので、こういうことは速やかに取り
組んでくださいませ。

さて、エリアメールの活用に関連した2回目の質問は携帯電話を活用し
た情報発信に関してお伺いします。現在、春日部市では、災害時の対応
に限るものではありませんが、マイタウン春日部、とか、オラナビとい
うポータルサイトを立ち上げております。市の様々な情報を提供する携
帯向けのサイトとして作成されたものでありますが、残念ながら、こと
災害に関する情報という点では、不足していると思うと共に、避難所な
どの情報が探しづらいものになっています。そこでこのエリアメールの
導入にあわせ、東日本大震災を教訓にし、特に災害に関する情報、サイ
ト表示の内容について見直しをするべきではないかと思い、以下確認の
意味でいくつか指摘をさせて頂きます。

一つには、マイタウン春日部には外国人向けのサイトも用意されており
ますが、ここには防災情報が見当たりません。

2つめに、オラナビには防災情報や避難場所への案内が出来るようにな
っていますが、ここには外国人向けの情報はありません。

3つめには、避難所などの情報に行き着くまでがわかり辛く、市民への
説明も難儀をするところです。

4つめには、日常的にこういう情報を市民の方に確認しておけるように
手を打つべきではないでしょうか。

5つめには、避難訓練などの際に、操作方法についても訓練というか、
チラシを作り、意識の啓発をはかるべきではないでしょうか。

6つめには、スマートフォンが携帯電話の主流になって来ました。スマ
ートフォン対応のサイトの構築もするべきではないでしょうか。

7つめには、非常時には自動的に災害情報を速やかに発信できるような
システムにしておくべきかと思います。

以上、数点にわたり指摘をさせて頂きましたが、災害という観点に絞っ
て全体の見直しが急務の課題と思えます。

以上の観点から、災害時での被害を最小限に食い止めるための情報提供
のあり方、取り組みについてお伺いします。



2−2.大きく二つ目、路上喫煙防止条例の制定など受動喫煙防止対策
について、でありますが、先ほどの答弁で来年間違いなく制定すると言
うことでしたので、余計な事は言うまい、と思います。

思いますが、個人的な思いとしては、健康のためには、やはりタバコは
良くないと思いますので、止めた方が良いと思いますので、少なくても、
タバコの煙が嫌いな人に吸わせる環境をつくってはいけないと思います。
受動喫煙とはタバコの煙を直接、又は間接的に吸わされることによって
健康被害を招き、それはとりもなおさず医療保険をも蝕むことになり、
その結果、保険制度の崩壊にも繋がってしまいます。

少々脱線しますが、国民健康保険と言えば、その始まりは、お隣の越谷
市が越ヶ谷町であった時、全町民を対象にした保険制度として確立した
のが1935年であり、旧国民健康保険法が成立する3年前の事です。
世界に誇る国民健康保険制度の発祥のルーツはこの春日部市の直ぐお隣
の町でありました。

その後、企業団体を含む全国民が加入する保険制度が確立したのが19
61年ですから、今年は国民皆保険制度が確立されて満50年の佳節を
迎えます。これを守る為にしっかりとリードするのが行政の責任なのか
なと思う所です。昨年の栄議員の指摘にもありましたが、条例を作るこ
とが大事なのではなく、事実上、実行力のある取り組みが大事でありま
す。全く同感です。条例の制定は初めの一歩であり、どんどん加速して
いかないと、世界に誇れる国民皆保険制度を守ることができなくなり、
結果的には国民の命を守ることが出来なくなるのですから、一刻も早く
条例化を進めると共に、実行力のある取り組みを求めるものです。来年
度必ず、制定すると御答弁を頂きました。問題はその後の実現力であり
ます。健康増進への小さいようでも大きな第一歩、路上喫煙防止条例は
いよいよ来年実施すると言うことなので、この件については答弁は結構
です。



3−2.3つめ、ドライミスト・ミストシャワーなどで暑さ対策を、に
ついてでありますが、先ほどの御答弁では、来年の夏、市役所本庁舎な
どに試験的に導入をしてみようと言うことでした。前向きな御答弁に感
謝します。

しかし、贅沢を言えばきりがありませんが、大きくは地球の温暖化防止
対策として、またヒートアイランド現象対策、ゲリラ豪雨対策として、
大型商業施設や不特定多数の市民の皆様が出入りする公共施設などには
早期導入が望まれるところです。

ゲリラ豪雨など大雨による道路冠水は春日部市だけの取り組みで何とか
なる問題ではありませんが、しかし一人でもまた一軒でも多くのご家庭
や事業者の皆様が力を合わせることが、冠水対策を防ぐことになり、熱
中症対策を未然に防ぐことになると思います。

そこでせめて、取手市、京田辺市、宇治市などのように、体力的に弱い
と思われる児童生徒達が通う全ての保育園、小中学校に一斉に導入する
ことができないものか、またオープン間近なふれあい振興拠点はいかが
でしょうか。実は先日、地元の県議を通じて、県側の担当窓口にも相談
させて頂いたところ、かなり前向きな検討をすると言うことでもありま
したので、市としても強く申し入れをして頂けないものでしょうか。ま
た、入り口近くの市道部分なら、市として単独に導入設置も問題もない
と思いますし、設置へ向けた市の取り組みについて、改めてお伺いしま
す。

また、水道料金の減免は難しいような御答弁を頂きました。北九州市や
大阪市、東京都などでできるものが春日部市で何故出来ないのか不思議
でなりません。新規事業として莫大な予算的措置が必要な事業と言うほ
どのものでもありません。減免について出来ない理由があるとすればど
んな理由なのか、お伺いします。



4−2.大きく4点目、災害時の食物アレルギー物資および避難場所で
の対応について、お伺いします。

この問題について、様々な地域について確認してみましたが、大体は同
じような考え方として、「数多くあるアレルギー原因食品に対応して備
蓄食糧を個別に確保することは困難な状況」であり、「自らの命は自ら
で守る」「自らの地域は自らで守る」という観点から、各ご家庭におい
て、最低限必要なアレルギー対応食品、常備薬や持病薬等を家庭に備え
ていただくよう啓発に努めております、となっていました。

しかし、緊急的に避難所生活を余儀なくされる中にあって、持ち出せる
荷物は限られており難しい問題だなと思う所です。

また、マスコミ報道でもありましたが、食物アレルギーに関する理解が
ない人たちからは「切羽詰まった状況にあって、通常一般の食物も手に
入らないのに、文句を言うな、とか我慢しろ、と言う声が多いとありま
した。」そこで、そういう問題の起こらないような対策をとるべきであ
り、市内に住む方の状況把握を確実にして、防災対策の春日部ブランド
とも言えるモノを確立するべきではないでしょうか。

先ほど赤帽さんの例を挙げ、災害協定の見直しということを提案させて
頂いたことにも関連しますが、食物アレルギーなどの専門的な知識、情
報を持っているNPO法人、食物アレルギー対策を行っている団体など
と支援協定を結ぶというのはいかがでしょうか。そしてまた、今回の災
害時の状況で改めて感じた点ですが、市内の車での移動なども困難を極
めることからも、今は消防本部に保管されているものなども、いくつか
の地域にわける、備蓄倉庫の分散化と言う考え方も必要ではないかと思
うところですが、いかがでしょうか。改めてお伺いし、2回目の質問と
させて頂きます。





1−3.重ねて3回目の質問に立たせて頂きます。初めにエリアメール、
携帯情報に関することですが、緊急避難情報が来たときに対応できる準
備としてスマートフォン向けのアプリの開発などは出来ないものでしょ
うか。何時いかなる時にも緊急情報を有効に使えるようにするアプリ。
それはたとえば、GPSを活用し、ワンタッチで一番身近な避難場所を
教えてくれるものなどの開発も有効な考え方かなと思うところでありま
す。これは要望とさせて頂きます。また、先日の常任委員会でも大きな
話題になった部分でありますが、停電時の対策も重要であると思います。
東日本大地震でも3日4日以上、連携のとれない避難所もありましたし、
こういう場所での確実な情報収集が出来る体制を作り上げることは大事
な事だと思います。関連して各避難場所にキャリア別の充電器を置くべ
き事を提案し、これは要望とさせて頂きます。



2−3.二つ目に路上喫煙防止条例の制定については、先ほど申し上げ
ましたとおり質問はありません。

質問はありませんが、最後に一言付け加えます。というのは、つい先日、
市民の方から一つの相談を持ちかけられました。それは離縁相談につい
てでありました。しかし、夫婦げんかは犬も食わないと昔から言うでし
ょう、と話は聞けますが、相談には乗れるかどうか、と言うと、それは、
今の連れ合いと別れたい、のではなくて、煙から離れたい、と言う離縁
相談でした。

煙からの離縁であれば大賛成ですので、応援させて頂きますと励まさせ
て頂いたところです。さて、そんな経緯もあり、この条例制定と、制定
後における実効性を見守りつつ、さらなる健康増進策へ向け、しっかり
と取り組んで頂きたいと思います。再度の要望でございます。



3−3.3つめ、ドライミストの導入に関して、お伺いします。
水道料金の減免が制度として難しいのであれば、個人として、または企
業団体として、機器の設置、購入、に関する支援策は図れないものか、
お伺いします。

取手市の場合、ミストシャワーの導入にあたり1時間あたりの水道料金
を試算したところ、わずかに5円少々と言うことでした。一日4時間程
度で20円強。一ヶ月30日で600円強。これをクールビズの期間の
4ヶ月間で2400円。つまり例えば1000件の協力が得られたとし
て240万円。それも、この240万円を全額補助しろというのではあ
りませんし、民間などの協力を得ながら温暖化を食い止め、しかも、児
童生徒、高齢者を初め多くの市民の熱中症対策になるわけです。これほ
ど費用対効果の高い事業はないのではないかと思うところであり、前向
きな検討を宜しくお願いします。これは要望とさせて頂きます。

また大凧マラソンなどスポーツイベントなどへの導入も是非、実現して
欲しいと思います。この点について答弁は結構ですが、是非導入へ向け
て動き出してほしいと要望だけさせて頂きます。



4−3.最後4点目に食物アレルギーに関することですが、これはもう、
とにかく、いざというときに慌てないため、何よりも尊い命を守るため
の施策ですので、早めの取り組み、漏れのない取り組み、確実な情報網
を張り巡らして頂くこと、マスコミ報道のような人権問題とも言える発
言が起きることのないように今からしっかりと手を打って頂くことを要
望し、今定例議会最終日最後の登壇、3回目最後の質問とさせて頂きます。