平成20年12月度 一般質問

おはようございます。議席番号34番栗原信司でございます。発言通告
に基づきまして、市政に関する一般質問を行わせていただきます。今回
もまた、幾多の市民の皆様よりお尋ねがありましたことをまとめて3点
ばかり取り上げさせて頂きます。

1.始めに、救急車の搬送時間の短縮について、ということでお尋ねし
て参ります。

昨今、巷ではいわゆる救急患者のたらい回し事件が頻発しています。こ
こ春日部でもこの問題は他人事でありません。この原因は大きくは全国
的な医師不足と言われるところかなと思うところでありますが、この辺
の対策は政府にお任せするとして、地元における問題としては、一つに
は救急車による搬送の緊急性、必要性が認められないような軽症の患者
への対策と、今一つは救急車を利用する際の搬送に時間が掛かると言う
問題があると思います。

今回は特に後者の問題として、救急車の搬送時間の短縮についてお伺い
したいと思います。急な病に倒れて、消防署に連絡をして救急車が現場
に駆けつけるまでの平均時間は全国平均において、平成8年度ではおよ
そ6分だったものが、10年後の平成18年度では約6.6分と時間が
延びています。この件は春日部においてはいかがでしょうか。自分が議
員に成り立てのころには平均して5分弱と聞いた記憶があり、その時に
は大変に素晴らしい成果だなと思っていたところです。最近はいかがで
しょうか。

そしてさらに、救急患者を受け入れてくれる搬送先の病院に到着するま
では全国平均では約30分と言われていますが、春日部市においてはい
かがでしょうか。これらのことを含めて具体的にお伺いしたいと思いま
す。

一つには救急車を呼んでから、現場に到着するまでの平均時間はどれく
らいなのでしょうか。

また、二つ目には救急車が搬送先となる病院を見つけるまでの現場滞在
平均時間はどのくらいでしょうか。

三つ目には119番通報を受けてから病院へ収容するまでの平均時間は
どれくらいなのでしょうか。

4つめには現場における救急隊メンバーの役割分担や連絡方法などにつ
いてどのような体制、どのようなルールに基づいて行っているのでしょ
うか。

以上御答弁をお願いします。



2回目
1.救急車の搬送時間の短縮について
ご答弁にもありましたが救急車には通常3名体制で任務を行うと言うこ
とです。それぞれの皆さんが各自の決められたルールに基づき、任務を
遂行するということでした。患者さんの容体によって、気道確保や心肺
停止の際の蘇生処置など応急処置などを行うメンバーと、ひたすらに搬
送先を探すメンバーとそれらの補助行為を行うメンバーというように役
割分担がされています。

しかしその反面、患者さんの容体によっては、救急隊メンバーとして患
者さんに手を出せない状態なり、手を出す必要のない場合もあるのかな
と思うところです。先ほどの答弁ではメンバーの一人が救急車に備え付
けの携帯電話を使って、患者さんの受け入れをして貰える搬送先を探し、
手間取るような場合には二人で搬送先を探す。さらに時間が掛かりそう
な場合には、指令センターに連絡してセンターからも探して貰うという
ことです。

そこで、この決められたルールを無視しろと言うことではなくて、最初
から1人で行うことを2人、または3人で行えば、例えば30分かかる
ものも単純計算では10分で出来ることになるではないかなと思うわけ
です。折角3名の救急隊メンバーが搭乗しているのですから、3名同時
に行うことによって、時間が3分の1に短縮できるのではないでしょう
か。

救急車には特権が認められています。これは日本の常識と言いましょう
か、世界共通の常識とも言えるのではないかと思いますが、救急車は迅
速性が求められることから、赤信号でも優先的に進行したり、渋滞時に
は対向車線を走行するなど他車に対する優先的な走行が可能となってい
ます。

道路交通などの危険性のある場合でも、認められている特権のある救急
車ですから、折角の迅速性を認められている救急車が搬送先を探すのに
時間をかけていてはもったいないなと思うわけです。ですから、3人同
時に行うことが難しいのであれば、最初から3名体制を4名体制にする
など、少しでも搬送先を探す時間を短縮することが大事な命を守ること
になるのではないかなと思うところであり、こういう事に限らず、救急
隊として救急車の時間短縮に対する今後の取り組みについて改めてお伺
いします。



3回目
1.救急車の搬送時間の短縮について
何事も目標を決めて行うことが大事ですので、1分1秒を短縮する取り
組みをよろしくお願いします。
救急隊の皆さんが毎日、命がけの戦いをしていただいていることに深く
感謝を申し上げて、答弁は結構でございます。さらなるご検討を切にい
のります。



2.障がい者向け配食サービスの実施についてお伺いします。
昨日より障がい者週間が始まりました。これは障害者基本法第7条国民
の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害
者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意
欲を高めるため、障害者週間を設けるというものです。いわゆる、障が
いのある方も障がいのない方も共に助け合って社会で自立できるように
相互理解を深めたり、意識を高めたり、共通認識に立とうと今、春日部
市では高齢者に対しては自立支援という観点より、有料でという条件付
きながら、配食サービスを希望者に行っています。

これは1食300円、平日の昼、夜で週6回までと言うサービスですが、
この制度をホンの少しだけ、拡充させていただきまして、障がいをお持
ちで、たとえば一人暮らしをされている方の希望者に対しても、高齢者
に対する自立支援と同様の観点から、配食サービスを行っても良いので
はないかと思いますが、この点についてお伺いします。

1つにはこういった考えそのものはどうなのでしょうか。

2つには一人暮らしの障がい者として実際の所、人数とか把握されてい
るのでしょうか。

3つには希望者としての該当者数はどのくらいになると想定されるので
しょうか。

4つにはその場合の予算措置はどうなるのでしょうか。

以上、4点についてお伺いします。



2回目
2.障がい者宅に配食サービスを。
さきほども述べましたが春日部市では高齢者向けには配食サービスを行
っております。あえて、紹介するまでもなく県内でも加須市、行田市、
草加市、熊谷市、入間市を始め全国的にも多くの自治体で実施されてい
るサービスです。1食あたりの値段には300円から数百円まで、値段
こそは自治体によって違いがあるものの高齢や障がいの度合いにより自
宅で食事の準備をすることが困難な人たちに配食サービスを行うことは
生活習慣病の予防にも役立つし、これは視点を変えれば、市民の健康を
守ることによって、市の財政を守ることにも直結するわけです。健康作
りに繋がる配食サービスを行い、すべての人々が健やかに暮らせる街づ
くりと福祉と健康の増進のために実施すべきと思います。

そして、さらに一人暮らしの障がい者のお宅に訪問することはそのまま
安否確認にもなります。現在、障がいをお持ちの皆さんは一人住まいの
かたに限りませんが、それぞれヘルパーさんに来ていただいたりもして
いますが、経済的な理由からも毎日来ていただくわけにもいかず、大変
な難儀をしております。また、そう言う判断に疎いと思われる方は、サ
ービスそのものが理解できない場合もあります。職員の皆様には大変な
難儀をおかけしますが、障がいをお持ちで一人暮らしの方が何人、どこ
に住んでいるかなど実態を把握していただき、場合によってはチラシな
どを持って説明してあげて欲しいと思うところですが、この点について
はいかがでしょうか。

そこで、この件については市長の政治的判断を求めたいと思います。
先ほどの御答弁では該当者数もそれほど多くの方とも思えません。また、
多額の予算措置も必要ないのではないかと思うところであります。障が
いをお持ちの方の自立支援の観点、また健康を守るという観点より、さ
らには各人の安否確認という意味で、配食サービスの実施による効果は
大変に大きいものがあり、春日部市としても大きく福祉の向上に繋がる
と思いますが、いかが思われるのでしょうか。市長の判断を求めたいと
思います。



3回目
2.障がい者宅に配食サービスを。
市長からも答弁を頂きました。大きな声では聞こえませんでしたが、心
の叫びとして必ず実行しますと聞こえたような気がしますので、答弁は
結構です。しかし、先ほどの部長答弁にもあったように県内40市中2
0市が取り組んでいるものです。春日部市としてもいち早く実現をする
べきと思いますので宜しくお願い申し上げます。



3.女性総合外来の設置について
「男性医師には相談しにくい」、「検査を受けたいが恥ずかしい」、と
いったお悩みや、女性特有の症状などについて、気兼ねなく相談したい、
理解された診療を受けたいなど、性差によるプライバシーを理解した医
療の要望にお応えするため、市立病院に女性専門外来を設置するべきと
という要望はかつて大山議員が主張し、公立病院としてはいち早く設置
していただきましたものつかの間、一時的に実施していただきましたが、
その後、全国的な医師不足、特に女性医師が激しく減少する中で、市立
病院においても自然消滅になってしまったようですが、今後、再開の見
込みはあるのでしょうか。

関連して、開設当時の利用実態についてわかりましたら改めて教えてい
ただきたいのですが、その時の利用者の反応、利用頻度とかリピーター
の有無、平均診療時間、などについてお伺いして一回目の質問とさせて
いただきます。



2回目
3.女性総合外来の設置について
私に相談に来た人が言うのには、女性の心と身体は、女性ホルモンにつ
よい影響を受けたり、月経の周期によって体調が細かく変わったり、食
欲や自律神経などに変調が出やすい、いわゆるデリケートに出来ていま
すと。そこで、気になる症状があるので、病院に行ったところ、案内の
人にどこに行くべきかと相談したと。その人とはじっくりと話が出来る
環境にはなかったけれど、示された診療科に行ったところ、他の診療科
を受けるように担当医から勧められ、そこで、違う診療科へ行ったとこ
ろそこでは、市立病院ではダメだと、違う病院に行くように紹介状を書
いてくれたのでそこに行ったところ、そこでもまた、同じ事を繰り返し
て、その出た結論というのが春日部市立病院にいるがこの地域では一番
の名医と言うことでした。

そこで、その方が言うのには、最初に時間をかけて、こちらの話なり、
症状をじっくりと聞いてくれれば、こんなムダに時間を費やすことは無
かったのではないかと。

確かに女性の体のデリケートな話をしたいのだから、女性医師が担当し
てくれるのが理想ではあるけれども、でも、何らかの症状が出て悩んで
いるわけだから、そんな贅沢も言ってはいられない、症状を軽くするた
めに、まずは話を聞いて欲しいと言うことでありました。

そこで、女性医師ではない男性である私の所に相談に来たのでした。も
ちろん私に診察ができないことは百も承知で相談に来たわけです。その
方の悩みとしては、女性医師に限ることではなくて、悩みの内容、症状
を正確に聞き取り、適切な診療科を紹介するか、または、そこで確実に
診察をして欲しいと言うことだけでした。

先ほど救急車のところで取り上げたいくつもの病院のたらい回し事件で
はありませんが、病院内のたらい回しも辞めて欲しいという切実な訴え
であります。

そこで、こんな女性患者を適切な医療に導く「道案内役」として女性総
合外来の設置を求めるものであります。全国的な医師不足の中で、特に
女医さんそのものが極めて少ないという実態の中で、今すぐの設置は難
しいという内容の答弁に聞こえましたが、一度は約束して開設に踏み切
った女性専門外来ですから、今すぐの設置は難しいにしても、出来ない、
無理だとやる気を無くしているとは想像もしておりませんが、ただしか
し今、出来ないことをずっと出来ないと強く否定せずに、例えばですが、
一つの考え方として、内科、婦人科に限らず、現在勤務していらっしゃ
る女医さんにお願いすることは出来ないものでしょうか。

各先生方それぞれは、確かに専門分野をお持ちで頑張っていることは十
分に理解するところですが、この先生方に例えば、週に1度、または1
週間おきに1度、というように担当していただくことはできないもので
しょうか。専門分野が違うとか、畑違いとか法律的に許されないとかあ
るかも知れませんが、プロとしての医学の専門知識をお持ちであり、女
性と男性の体と心、生活スタイルの違いを理解でき、その上で医学的な
知識のもとで判断を下していただく事はいかがなのかなと、素人考えで
申し訳ありませんがお尋ねしたいと思います。

また、別の考えとして、少々脱線する考えかも知れませんが、看護師と
して長いこと職務について、様々な経験を積んできている看護師長など
に担当して貰うことは出来ないものでしょうか。医学的な診療、診断は
専門の先生にお願いするわけですので、いわゆる看護師としてのキャリ
アを活用することは出来ないものでしょうか。

そして、今ある仕事の上に残業をしてまで取り組んで欲しいと言うこと
ではなく、まず相談に乗って頂くためにも、専門分野の窓口を紹介して
あげられるようにじっくり、ゆっくりと話を聞いてあげられる相談室を
用意して、そこで予約制で受け付けるような場所を開設して貰えないも
のでしょうか。

また、さらに開設の可能性の少なくなる話かも知れませんが、テレビ電
話などを用いまして、関連大学とのオンラインでのシステムを構築して
貰うなど検討してはいかがでしょうか。

もちろん、言うまでもなく、管理者及び院長には引き続きまして専門の
女医さんを探して貰うことは強く望むものであります。市民の小さな声
にしっかりと耳を傾け、市民の目線にたった取り組み、行政で出来るこ
とは何でもやろうという気概の対応を望むものです。

いずれにしても、患者を病院内でたらい回しにしない方法を取り組んで
いただきたいと強く念願し、女性総合外来の設置に向けた取り組みにつ
いて管理者(及び病院長)のご見解をお伺いして2回目の質問とさせて
いただきます。



3回目
3.女性総合外来の設置について
先程来の答弁を伺うに付け、誠に残念ながら、今日明日の市立病院での
設置は極めて難しいのかなと改めて思うところですが、少々時間もあり
ますので、最後に公明党の取り組みを一つ紹介させていただき本年最後
の一般質問を終えたいと思います。

公明党は本年、女性サポートプランを打ち出しました。この内容を全部
紹介すると本題から離れてしまいますので、女性総合外来に関連するか
なというイメージの話題を一つだけ紹介させていただきます。

この女性サポートプランの中で、公明党は「女性の健康パスポート」の
発行を提案しています。健康パスポートは、予防接種や治療歴、健康診
断などの情報を記載するものです。そうした情報は健康管理の手助けと
なり、病気や怪我で治療を受ける際には医療機関にとって大きな参考に
なります。この提案のきっかけも、ある一人の女性の声でした。ヨーロ
ッパに在住していたその人が、出産のために現地の病院へ行ったところ、
医師から「あなたが生まれてからこれまでに受けた予防接種や病歴、治
療歴の情報などが記載されている書類を提出してください」と求められ
たそうです。

そこでは、自分が生まれてからの健康に関する記録を一冊の手帳として
持っていて、妊娠・出産の時に、病気やけがなどの情報を見ながら医療
を受けるとのことでした。特に女性は、思春期、妊娠・出産、更年期と
生涯にわたってホルモンバランスが大きく変わります。女性特有の疾病
の情報・知識を得ることができれば、安全な出産や女性特有の疾病の予
防など、賢明に対応することが可能になるというものです。厚生労働省
は来年度予算概算要求の中で、健康パスポートともいえる「健康手帳の
交付」を盛り込みました。まずは40歳以上を対象に、更年期障害、閉
経後の急激な骨量減少といった女性特有の健康課題や検診情報などを掲
載した健康手帳を、市区町村が交付できるようにするというものです。

さらに、若い女性のための健康手帳作成を含めた「女性の健康支援対策
事業」が都道府県のモデル事業とすることが盛り込まれています。ライ
フステージの変化に応じた健康チェックの手引きにもなり、健康問題を
解決する貴重なツールともなる「健康パスポート」であります。ご当地
春日部市においてもこの「健康パスポート」が発行されたときにこれが
有効に機能するように、市立病院を始め、市内の医師会の先生方のご協
力をいただき、女性総合外来を設置していただけますように強く強く念
願をいたしまして本年最後の一般質問を終了させていただきます。