平成17年9月度一般質問・クリ@埼玉

議席番号29番栗原信司でございます。
現体制での春日部市議会として最後となる予定の市政に対する一般質問を
行わせて頂きます。

いよいよ10月1日の合併まで残すところはあと30日を切りました。8
月24日発行の政府の官報を目にするまで心配でしたが、ちゃんと活字に
なって一安心をしつつ、ここまで漕ぎ着けることが出来たのは裏方の皆様
のご努力と市民の皆様のご理解によるものと深く感謝を申し上げると共に、
50年余の長きにわたり、公私を分かたず、市井の発展に大きくご貢献を
されてきた三枝市長のご苦労に改めて深く敬意と感謝を申し上げたいと思
います。本当にご苦労さまでした。しかし、まだまだ、正式な発足と新市
の運営が安定するまで、変わらぬご努力をご期待させて頂くところでもあ
りますので宜しくお願い申し上げます。

さて、合併への期待と共に、合併効果の上がる市政運営を大きく望むもの
であります。これから新しい市長の誕生やこれに関連して執行部の皆様の
入れ替わりなどももしかしたらあるのかなと考えられるところであります。
そう言った意味では、今回の登壇は誰にどう聞けばいいのだろうと思うと
ころでありますが、市民の皆様の中には不安を抱える人を時々見受けます。
この小さな不安を大いなる希望に変えるため、明るい希望を抱けるような
御答弁を期待し、数点に亘りましてお尋ねをして参りたいと思います。


1.防災行政についてお伺いいたします。10年前の阪神大震災から始ま
り、中越地震、千葉県や宮城県などを震源地とする大地震が発生するなど
緊急情報を求める場合が増えてきています。従前の連絡網を使うことだけ
ではもう間に合わない時代にもなってきています。生活圏が拡がっている
ことから、ご家族通しで連絡を取り合うにも、行政の情報を手に入れるた
めにも、また、何かと忙しい市長を初め町会の役員の皆さんと連携をとる
ことが困難な場合も多くなってきているのではないかと思うところです。
そこで、以下、数点にわたりお尋ねします。

 @点目に市のHPの火災情報について情報発信が遅れがちなのはその業
務上やむを得ないと理解をするところではありますが、しかしそれでは折
角HPを設置している意味が薄れてしまうのではと懸念を致すところであ
ります。まずはこの対策についてお伺いをすると共に、携帯向け火災情報
として、メルマガの情報発信が出来ないものかお伺いをします。

 A点目に市の内外を問わず小中学校を狙った悪質なイタズラとも言える
脅迫状や犯罪予告などが増加しています。これら緊急性のある事件が発生
した場合に、携帯向け緊急情報メルマガとして情報発信が出来ないものか
お伺いします。

 B点目に市のHPの「災害情報」のページの中に防災行政無線の放送内
容を表示できないものかお伺いをします。又は防災行政無線としてのペー
ジを充実させることはできないものか、さらには先の質問と同様に防災行
政無線の内容をメルマガとして情報発信できないものかお伺いします。

 C点目に地域別総合防災訓練の際に、昨年より実施をして頂いています、
ペット同行避難訓練に関連してお伺いします。昨年は初めての取り組みと
言うことと早朝の訓練ということなど諸般の事情により参加した時にはペ
ットたちは解散となっておりました。今年は早めに参加して、ペット同行
避難訓練に協力をしてくれた市民の皆さんと意見交換が出来ました。そこ
では様々な質問が寄せられました。そう言う意味では、この訓練の際に、
相談コーナーを設置して災害時の対策などの相談を初めとして、市民の皆
さんの質問に答えられるようにすべきではないかと思います。世間的には
「ドッグライフカウンセラー」といって躾を初め家庭での飼い方など現代
社会の実情に合わせた飼い方をアドバイスする専門家もおります。ボラン
ティアとして参加して頂いたらいかがかなと思うところです。

さらには、昨年も提案させて頂きましたが、大げさな訓練という意味では
なくて、災害時には大きく貢献してくれる災害救助犬のデモンストレーシ
ョンをやってもらい、市民の皆さんへのアピールなどを行うことも大いに
価値のあることではないかと思うところですのでこの件につきまして昨年
に引き続きましてご答弁を頂きたいと思います。


2回目
1.防災行政
先日の光化学スモッグ警報の発令は伝わったのでしょうか。
子供達にはちゃんと危険が伝わったのでしょうか。学校によっては部活を
外でやらせていたようです。今回取り上げた問題とは直接は関係がないよ
うにも思えますが、こういった人的災害とも言える連絡の遅れや危機管理
能力が問われるところであり、市の見解を改めてお伺いしたいところです。
これに関しては教育長にお尋ねしたいと思います。対策の遅れなど、被害
の発生は人災とも言えるのではないかと思いますがいかがでしょうか。

又、先日の台風11号の場合に関してテレビ等を見る限りでは、昨年の風
水害を教訓にしたのか、早めに自主避難した地域が多かったようです。し
かし反面、神奈川県小田原市では、災害被害を受けそうな地域、約880
世帯に避難勧告を出したところ一人も応じなかったということです。小田
原市の担当者は「未明で、雨戸などが閉まっていて広報車からの呼びかけ
が聞こえなかったのかもしれない」と談話をよせたようですが、対象地区
が限定されたこともあり、防災行政無線は使わなかったようです。

そこで、これらの事を教訓にして、さらに対応を検討する必要があると思
うし、災害訓練の際にもこういった訓練も必要になるのかなと思うところ
であり、さらに検討して頂きたいと要望いたします。

 特に、昨年7月の新潟豪雨では、雨戸が閉まった家の中で死亡している
人が何人か見つかっているとの話もありましたし、さきの小田原市の場合
は、8月1日から希望者に携帯メールで防災情報を伝えている。今回、初
めて約470人に避難勧告の情報を送ったが、送信したのは勧告から1時
間以上も経過してからと言うことと、住民の一部に限られていたというこ
ともあり「他の防災対応が優先した」ようですが、やはり、反省としては
いざというときのための訓練が不十分なのかなと思うところであります。
この件に関して、河田恵昭・京都大防災研究所長は、「自分の住む地域は
危険がどのくらいあるのか。地域の特性を踏まえたきめ細かいハザードマ
ップ(災害予測図)をあらかじめ住民に示しておくことや、避難情報は具
体的にわかりやすく説明することが重要だ」と話しています。日頃の取り
組みの重要性を改めて認識した次第であります。是非とも新市に向けた取
り組みの中に、人命尊重の大いなる基本精神に基づいたご検討をお願いし、
この質問は終えます。


2.QRコードの活用
 携帯電話の普及と共にQRコードを貼り付けた誌面を目にするようにな
りました。以前に議会で提案させて頂いたところ、広報かすかべの裏表紙
に掲載して頂き、市民の皆さんから好評を頂きました。最近ではその他の
市で発行するチラシにも携帯版の市のHPの紹介などをさせて頂き、日曜
日に営業している救急対応の日曜当番医療機関などを登録するのが簡単に
なったとまたまた評判を頂いているところであります。

そこで、更に、市民サービスの向上のためにこのQRコードの活用をもっ
と図れないものかと先進事例などを紹介させて頂きながら市としての今後
の取り組みについてお伺いします。

 @点目として、例えば、春日部駅西口を降りるとすぐ目の前に市内の略
図等がわかるような看板が設置されています。ここに載せられる情報は看
板の面積の関係もあり、限定された内容となっております。

そこで、ここに市内の観光案内のサイトや公共施設の場所のサイトを紹介
するなどと言うことは出来ないものかお伺いします。

 A点目として、また、神戸市では歩行者用案内というものを試行的に取
り組んでいます。歩行者が気楽に携帯電話を使って街の情報やバスの運行
状況を把握できるというものです。バス会社と連携を図り、市内に設置し
てある停留所のバス時刻表をいちいちメモに手書きする必要の無いように
時刻表のサイトに繋がるようにはならないものかお伺いします。

 B点目として、1点目の災害行政との絡みも出てきますが、まもなく新
市の誕生となる春日部でありますが、合併後の庄和町の皆さんの不安を減
らす為にも、災害情報、たとえば避難経路を確認するとか避難場所を一覧
にして何処でも誰でも確認が出来るようにするべきと思いつつ、さらなる
行政サービスの向上の為に、公共施設の一覧を携帯版HPにわかりやすく
掲載し、QRコードから読みとれるようにしたらいかがかなと思うところ
です。

以上、主な例を挙げましたが、これに限ることなく市民への行政サービス
の向上を図るためにもドンドン活用すべきと思うところであり、市の今後
の取り組みをお伺いします。


3.春日部大通り(通称ロビンソン通り)にアーケードの設置を
 大きく3点目として、春日部大通り、いわゆるロビンソン通りを中心と
して春日部駅から傘を差さずに歩ける街作りを目指して、アーケードの設
置は出来ないものか、お伺いします。

観光資源の少ない春日部にとって貴重な観光資源の代表が藤の花と夏祭り
かなと思うところです。かといって、藤の花には日光は必要であり、ここ
に屋根をつけるわけにはいかないだろうと思うところですが、東口を中心
にした夏祭りは年に一度の大きなイベントであり、これを楽しみにしてい
るのは市民に限るものではありません。そこで、天候に左右されずに、の
びのびと楽しく夏祭りが過ごせるように、駅前から一宮の交差点にかけて
アーケードの設置を望むところです。

3丁目A街区の開発もほぼ決定となりいよいよオープンが待ち遠しくなっ
てまいりました。このタイミングに街の活性化を図ることが急務かなと思
えるところであり市としてのお考えをお伺いします。


4.ウォームビズの導入について
 さて、大きく4点目として、現春日部市議会の体制の最後の質問とさせ
て頂きますが、いわゆるウォームビズの導入についてお伺いします。

この議会においても、今年は夏場のクールビズに取り組み近隣市町村に大
きな影響を与えたところであります。ネクタイ1本をはずすだけでこんな
にも夏が過ごしやすいのかと改めて実感しながら、なおかつこれがもたら
した経済効果の大きいことには想像を超えるものがありました。先日発表
になったデパート業界のこの夏の売り上げに関する発表では、衣料品全体
が前年比2.0%増。なかでも紳士服関係はワイシャツ、ジャケットなどのカ
ジュアル商品を中心に売上げが伸び、同3.2%増と2カ月連続でプラスとな
ったということです。婦人は関係ないのかと思いきや、旦那様や恋人につ
られる形なのか婦人服関係もジャケット、シャツ、カットソーなどの夏物
衣料が好調で同3.0%増となったそうです。身のまわり品にもクールビズの
影響があり、同4.3%増となった。

そこで、この「クールビズ」に続き、環境省としては8月22日、秋や冬
にオフィスの暖房を抑えて省エネにつなげるための新キャンペーン「ウォ
ームビズ」を10月1日から始めると発表したことは皆様も既にご案内の
とおりであります。

ウォームは英語で「暖かい」の意味。男女を問わず室温20度で快適に仕
事ができる服装が対象で、ニット製品の重ね着や保温性の高い下着、帽子
などを組み合わせたスタイルが考えられるという。近くロゴを作成し、こ
うした服を販売する店などで自由に使ってもらう。小池百合子環境相は「
クールビズはすっかり定着し、百貨店売上高も増えて日本経済をホットに
した」とアピール。「夏場の冷房並みに冬場の暖房にかかる電力は大きい。
暖房に頼り過ぎず、働きやすく暖かく、格好良いスタイルを定着させたい」
と言うコメントを発表しました。

まさに、そのとおりだと思います。市内の商店の売り上げ向上と地球に優
しい春日部市としては待ったなしといえる事業と思えるところであり、市
としての取り組みについてお伺いします。

1回目以上です。

※参考資料
ウォームビズ:経済波及効果2323億円 第一生命経済研
 第一生命経済研究所は25日、環境省が「クールビズ」に引き続き10
月からキャンペーンを開始する「ウォームビズ」の経済波及効果が約23
23億円に達するとの試算を発表した。名目国内総生産(GDP)を0.
03%押し上げる効果がある。冬物衣料の単価が夏物衣料より高いことや、
女性にも普及が予想されることから、クールビズの効果(1008億円)
の2倍以上になる計算だ。

ウォームビズは、セーター、ベスト、厚手の下着などをビジネス衣料に取
り入れることで、暖房による電力消費を抑えて地球温暖化の防止につなげ
ようという運動。

同研究所は、ウォームビズ関連商品一式の購入価格を男性が約2万600
0円、女性は約2万3000円と想定。クールビズ導入企業がウォームビ
ズも採用した場合、男性約310万人、女性約270万人が参加し、関連
商品の販売額が総額1426億円になるほか、増産や店舗改装などで関連
産業への波及効果が897億円に達すると試算した。

クールビズの場合、1人あたり購入予算は約1万7000円とウォームビ
ズより低く、ネクタイ・スーツの販売額が減るうえ、女性の参加はゼロ。
それでも、6〜7月の全国百貨店売上高(既存店ベース)が2カ月連続で
前年同月比プラスになるなど経済効果が表れており、同研究所は「まだ8
割近くあるクールビズ未導入企業にもウォームビズが広がれば、効果はさ
らに膨らむ可能性もある」とそろばんをはじいている。
毎日新聞 2005年8月25日