2000年12月度定例議会一般質問

議席番号19番栗原信司でございます。
発言通告書に従い一般質問をさせていただきます。
今世紀最後とか、世紀末では、こんな言葉には暗さを感じますので、21世紀を
「人道と平和の世紀」にするために、そして明るく希望のある社会の実現を目指
し、質問させていただきます。

古来より現当二世という言葉があります。
「現」とは、今そのもの、「当」とは当にこれからということでありますが、まさしく
過去は振り返るものではなくて、善につけ、悪につけ、事象・現象より学び取る
ことが大事と思う、そんな観点より、将来を展望するにふさわしい、御答弁をお
願いします。

1.IT対策について

はじめにITに対する取組についてお伺いします。
未だによく、IT革命とは何かと聞かれます。
個人的にはインフォメーションテクノロジー:つまり情報技術革新。簡単に言えば、
人に会いたい:人に会いていの革命と答えているところです。
さて、先日の利根川議員の質問の際にIT講習の中身は栗原議員がしなさいとの
ご指導をいただきましたので、その点もこういうことが聞きたかったのをこちらに
回してくれたものと推察しながら何点かおたずねします。
時間の都合もありますので、簡単にお答えください。

@全国民があまねくITの恩恵にあずかると言うことについて確認をさせていただ
きます。
先日の御答弁でもチャレンジド(障害者)・高齢者のみなさんも対象にはいると言う
ことでしたが、これに間違いはないのでしょうか。

A同様に先日来、話題にもなっていることですが、永住外国人も対象にはいるの
でしょうか。

B住民票は春日部にはないけれども、出産・育児等の都合で短期的に春日部に
戻ってきている人はどうでしょうか。

C話はちょっと飛びますが、先日のプレミアム商品券にしても、昨年は完売には
結構時間がかかったけれども、今年度は発売よりほとんど数十分あるいは、ほん
の数時間で完売という話を聞きました。
これは広報が不十分だったものが口コミで噂が広がり、市民のみなさんが購入の
際に殺到したのではないか、こう思うと、今回のIT講習についても連絡の不十分・
不徹底が心配されますがこの点をどのようにお考えなのでしょうか。

Dすべての教育環境へインターネットの接続と言うことですので、養護学校、民間の
幼稚園等にも配置されると理解してよいのでしょうか。

E市民のみなさんがおいでにならないけれども、市内に事業者がある場合のみなさ
んも利用できるのでしょうか。

F公共施設までの移動が困難な高齢者や障害者のみなさんにはどのように対処
されるおつもりでしょうか。

G補正予算と言うことについてお尋ねします。国が補正予算を組んでまでやるこの
事業を春日部市としてはどう理解をするところでしょうか。国も借金の中取り組むも
のを市としての事業としてはどう、タイアップするのでしょうかと言うことです。
相乗効果が望まれるところです。秋葉原の電気街のイメージです。全域で一気に
持ち上げるなどの対策が急務ではないかと思います。

HIT講習会は早いところでは年内実施の自治体がこの埼玉でもあると伺うところ
ですが、春日部市としてはいつ頃の開催となるのでしょうか。

I何人ぐらいが対象となるのでしょうか。           

J税金を使うのであり、差別や不平等があってはいけないと思いますがすでに個人的
な先行投資で講習を受けたり、機器を購入した人に対する支援策はないのでしょうか。

K講習会ではなくて、一般市民のみなさんも機器に触れるチャンスがあるのでしょうか。
インターネットでの接続は可能なのでしょうか。

L講習会のあり方・計画についてどういった形になるのか、負担はどうなのかについて
もお尋ねをします。

M防災対策・自治行政に関する取組についても併せて確認させていただきます。
今回の自治体への支援策とは直接には関係ない部分かもしれませんが、大事な問題
ですし、いわゆるITの恩恵を受けることのできる最大効果を発揮できる分野であります。
今回の補正予算でも、主なものでは郵政省が二十二億円、自治省が二十四億円を電子
政府・自治体の推進に計上しています。このうち、郵政省は、インターネットを利用した
申請・届け出システムや、地理情報システムの(GIS)の研究開発に予算を充(あ)てて
います。これに見合った、取組策はどうなっているのでしょうか。

N自治省としての予算組みに対する市の取り組みについてお尋ねします。自治省は
総合行政ネットワークの構築と、電子自治体推進の整備事業を進めることにしています。
ここでの予算に合致する政策は打てないものでしょうか。この件についてはどのように
お考えでしょうか。

O大容量通信ネットワークの構築についてはどうなのでしょうか。
全ての公共施設にインターネットの接続を可能にする予算と伺うところでありますが現時
点でどのような施策を講じようとしているのでしょうか。

PITに関する最後の質問ですが、国や県の取組としても補正予算を組んでまで強力に
推進しようとしていることに対する市としてのあり方についてお尋ねします。ほとんど経費
のかからない携帯電話向けHPの作成、更新等に対する要望を議会でも取り上げさせて
いただいているところでもありますが、何となく遅々として進まない感があります。
これは縦割り行政の一つの弊害が現れているのでは無いかと思いますが如何でしょうか。

急激に進むIT革命の流れを見失わないためにも「IT推進室」又は「IT対策本部」の設置
を市長自らまたは助役でも結構です。または場違いかもしれませんが収入役でも結構
です。市の最高決定権を持つ方々が先頭に立ちトップダウンをもって音頭を取り、過つ
ことのない舵取りをすべきと思いますがこの点は如何でしょうか。



2番目に
春日部市内の文化財というのか、歴史的に価値あるものの保護政策と保存方法について
お尋ねします。

特に天然記念物の藤の花は有名なところですが、建造物等に関してはいかがでしょうか。
国宝級のものがあるとは思えませんが、せめて市内に残存する最古の建造物や準文化財
というのか保護することに該当するものはないのでしょうか。
特に聞くところでは明治時代に建設され未だに使用されているものがあると伺うところです。
先日も札幌の開拓村と名古屋の明治村、飛弾の合掌造りをみてきました。

今、古いものを残そうという意識が広がりを見せております。
テレビでは「お宝鑑定」がブームを呼び、、今まで捨てていた物に大きな価値観がわかるよう
になってきました。

文化財として登録される建物は神社、仏閣を中心とした時代を経た物であるが今は庶民の
生活を後生に伝える歴史的建造物の保存に行政と民間が一緒になって取り組んでおります。
街道の町並み保存では木曽路の馬籠宿(まごめしゅく)、妻籠宿(つまごしゅく)、中山道の
海野宿奥州街道の大内宿が有名である。

近くでは栃木市で蔵の町栃木をテーマに山車会館、蔵の町観光館を中心に民家を開放して
記念館、郷土館が4〜5件あり、1年中観光客で賑わっております。県内の川越でも蔵づくり
とさつまいも、駄菓子横町、時の鐘で年間40万人の観光客を集めております。更に大正時
代の通りを整備し町の中に活気を取り戻しております。

去る11月10日の新聞には蔵市が住宅金融公庫と「中山道蔵宿町並み保存」のための優遇
措置を協定締結下という記事もありました。

春日部市を振り返ってみると、20年前には「蔵づくりの町並み」が残っていたが今やほとんど
取り壊されて宿場町の面影はなくなっております。これは近代化が進んだと喜んでいいのでし
ょうか。

当時、近郊でも大きな藁葺き農家が点在していたがこれらもなくなり子供たちに昔の市民生活
を学ばせる場がなくなっております。
隣の越谷市では公園にこれらの民家を移築して一般開放しております。

かつて、粕壁小学校の木造校舎が建築年度が新しく文化財的な価値がないと取り壊されてし
まいました。その当時の理由として、模型を作り教育センターに展示しますとなっていましたが、
せめて部分保存でもしてほしかったと思います。模型と現物では大変な違いです。この校舎も
30年後50年後には立派な歴史的価値が出て参ります。
どうも春日部市には古い物を愛し、保存する気持ちがないような感じがしてなりません。

市政要覧には春日部は「江戸時代、日光街道の宿場町として栄え米麦の集散地・工芸な町と
して発展してきました」と述べられております。この商人のまち「蔵づくり」も今や4〜5軒のみと
なっており、このままではやがてなくなっていくものと思います。

今、春日部で「豪商の館」として全体のイメージをそのまま残しているのは山田本家さんと大榎
さんが唯一のものと思っております。山田家は東口のA街区開発地域でもあり当然取り壊しの
運命となり、やがて産業廃棄物となるのではないでしょうかと危惧しております。もちろん所有
者の意志もありますが、行政が開発優先だけでなく移築等の保存の意識をもってもらいたい
ものです。

また、大榎さんについては、ご承知の通り歴史的な逸話のある建物で「成金」という言葉がここ
から生まれたとも聞いております。また、多くの文人墨客の往来もあり、中国の革命家孫文も
宿泊したといわれております。特にレンガ堀と笠松も、文化財的な価値と天然記念物の要素を
もっているとも聞いております。

個人所有の財産ですので、所有者の意志を尊重しなければなりませんが、行政がが何か、手
助けをする方法もあるのではないかと思います。

次に「昭和の松尾芭蕉」といわれた有名な加藤楸邨先生が春日部高校の教師時代に春日部に
住み、古利根川を散策しながら多くの作品を残しております。

春日部高校では100周年事業として楸邨先生を顕彰する記念碑を建設中でもあります。当時
先生が住んでいた住宅が東口の都市計画道路上にあり、現在は国の所有となっているが、これ
を譲り受けて移築をしてもらいたいと、だいぶ前のことですが俳句連盟の方々から誓願が出され
たとも聞いております。それがその後どのようになっているのかお伺いしたい。

今、県内の富士見、朝霞、大宮等で移築による資料館の整備を進めているが、春日部市では、
内牧公園の一角に郷土民芸村構想のもとに今後不用となった、民家を譲り受けて移築をして
ゆく提案をしたいのですが、これについて考えをお伺いします。

最後に文化村調査委員会の活動状況と今後の取り組みについてお伺いします。



御答弁りがとうございました。
重ねて質問させていただきます。

@チャレンジドの皆さんや高齢者の皆さんも含めて就労者支援策についてお尋ねします。
せっかく講習を受ける以上は就労のチャンスも是非システムとして設定するようにしては
頂けないものか、いかがでしょうか。
この件については神戸市の「プロップ・ステーション」での実績もあります。障害者だって、
税金を払いたいという運動を起こしております。もちろん、税金を払いたい人はいないと思
いますが、普通の人と同じように差別無く仕事に就きたいと言う人がいるわけです。
これらの方に就労のチャンスを与えていただきたい、そのための対策を是非、検討してい
ただきたいのであります。

それにまた、先ほどの神戸市の例にもあるように400人の障害者でパソコン研修を受けて
そのうちに何と50人もの就労が決まったという例もあるほどです。

以上宜しく御答弁をお願いします。